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温羅について

昔話「桃太郎」の墓になったと古(いにしえ)より岡山に伝わる「温羅(うら)伝説」

「ねぇ、“うらじゃ”の温羅(うら)って『桃太郎』の鬼のことなんでしょう?
なんで、“うらじゃ”は桃太郎じゃなく、悪者の「鬼」が主役のなの?」
「確かに、桃太郎のお話の中では人々を苦しめた鬼として描かれとるなぁ。しかし温羅は吉備国(昔の岡山県)の発展に大いに貢献した英雄なんじゃ。今日は『もうひとつの温羅の話』をしてみようか」

「そもそも温羅とは、朝鮮は百済(くだら)で起きた戦を逃れ、海を渡ってきた渡来人の長なんじゃ。古くから朝鮮半島と交流のあった吉備の人々はそんな温羅たちの事情をくみ、彼らを快く受け入れた。温羅はそんな心優しい吉備の人々のため、“たたら”(製鉄)や造船、製塩など当時の百済の優れた技術を伝授したんじゃ。そんな高い技術と集団を率いる英知をもった温羅は、吉備の人々に慕われ、まもなく吉備国の王となった。そうして温羅はますます吉備国の発展に貢献したんじゃ。“うらじゃ”はこの岡山を豊かにしてくれた温羅に感謝の舞いを奉納する祭りともいえるのかなぁ」
「へぇ~、でも それじゃあ なぜ温羅は鬼にされたの?」
「そこじゃ!温羅のおかげで豊かになった吉備国を恐れたのか、その優れた製鉄の技術をあるいは豊富な鉄の産地そのものを狙ったのか、その覇権をめぐりヤマト王権と争いが起きたんじゃ。戦いに負けた温羅はその戦いを正当化するため「鬼」というイメージを付けられ悪者にされたのかも知れんなぁ」
「じゃあ本当は桃太郎が悪い人だったんだね」
温羅や吉備の人々から見るとそうじゃな。だけど温羅は、今でもここ岡山では桃太郎のモデルとなった吉備津彦命と共に大切に祀られているし、千年以上たった今でもこの地を護ってくれているそうじゃ」

「史実は分からんが、はるか昔この地に逃れて来た温羅を快く受け入れたり、吉備国の覇権争いに敗れ『鬼』とされてしまった温羅をも等しく祀ったりと、寛容で大きな心を岡山に住む私たちは先人達から脈々と受け継いでいる。 まさに“うらじゃ”のテーマ『共生と融和』 そう考えると、温かい気持ちにならないか」
「うん、桃太郎も鬼も僕たちの住んでいる岡山では大切にされているなんて知らなかったよ僕、温羅や岡山のこともっと知りたくなったよ」
「そうか、じゃあ今度の休みはたくさんの史跡が残っている温羅伝説の舞台へ行ってみよう!」

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